生命保険における終身保険を徹底解剖

こんにちは。WILLE BLOGのSHOGOです。
今回、終身保険を徹底解剖しようと思います。

第1分野の終身保険を解説したいと思います。
難しくはありませんので、一緒に理解を深めましょう。

終身保険の特徴と効果

はじめに終身保険の特徴と効果をお話致します。
これらは、一般的にいいところとして扱われます。
しかし、ほとんどの場合「他で用意できるもの」があります。
他に手段があるが、保険で対応したという思いがあれば生命保険に加入してください。
それ以外の場合は、保険以外の手段を模索してください。

保障が一生涯続き、保険料が上がることはない。

積立性がある。=解約返戻金がある。

払込期間を長くすると保険料が安くなる。払込期間を短くすると総支払額が少なくなる。

払込期間満了後に解約しない場合、解約返戻金が増える。

払込期間満了まで生命保険控除が適用になる。

これらの特徴をオリックス生命の低解約終身保険【RISE】で試算してみましょう。
※なお、低解約とは払込期間までに解約した場合の解約返戻金を少なくすることで払込期間満了後の解約返戻金を通常の終身 保険より多くするといった機能を持つものとなっています。
払込期間まで絶対に解約しない方はおすすめですが、途中で解約の可能性がある場合は不利になります。

【試算条件】
40歳 男性 割引等なし 死亡保障金額500万円 保険料月払い
40歳の平均寿命を使用(82歳)

種目/条件払込期間10年払込期間65歳払込期間終身
保険料/月34,640円14,010円8,315円
年間保険料415,680円168,120円99,780円
総支払保険料4,156,800円4,203,000円4,190,760円
生命保険控除額一般生命保険控除10年
所得税:4万円
住民税:2,8万円
一般生命保険控除20年
所得税:4万円
住民税:2,8万円
一般生命保険控除42年
所得税:4万円
住民税:2,8万円
払込終了時解約返戻金4,068,100円4,416,600円
返戻率 97,8%105,0%
70才時総支払保険料4,156,800円4,203,000円2,993,400円
70才時解約返戻金(概算)4,600,000円4,550,0002,600,000円
返戻率(概算)113%108%86%
解約時にかかる税一時所得税
返戻金ー払込金額が
50万円以上の場合
一時所得税
返戻金ー払込金額が
50万円以上の場合
一時所得税
返戻金ー払込金額が
50万円以上の場合
オリックス生命 RISE試算表

解約せず、お金が必要なときは貸付ができる。

一般的に、貸付現在の解約返戻金の9割を条件に貸付ができる。契約者貸付といいます。
ただし、この貸付には利息を支払う必要があります。(年利3%が妥当、複利計算される。)
貸付をして未返済の状態で死亡した場合、死亡保険金からその貸付金が相殺されます。
なお、低解約終身保険は払込中の解約返戻金が抑えられているので、必然的に貸付可能額も少なくなります。

加入した日から保障が始まる。

これが俗に言う【貯金は三角、保険は四角】です。
亡くなった時、貯金した分はそのままの金額(少)、保険は死亡保険金額(多)ということです。

相続税における生命保険非課税枠を使いやすい

相続時に行う相続税計算の中で、遺族が受け取る生命保険には非課税枠があります。
計算式は以下の通りです。

生命保険非課税限度額=500万円×法定相続人の数

妻と子供2人いる主人が亡くなった際、500万円×3=1,500万円までの生命保険金額は非課税となります。
仮に現金で1,500万円持っていた場合、その金額は課税対象となります。
つまり、この相続税における生命保険は「他に手段のないもの」となります。
また、人は亡くなる時期を知ることはできないので、保障が一生涯である終身保険が適しているといえます。

以上が終身保険の主な特徴となります。
たしかに生命保険に求めるものの多くを解決してくれる商品であるといえます。


しかし、これらは全て生命保険でしか対応できないのでしょうか?
その対策を練ることはとても重要なことといえます。
終身保険に加入すると、ずっと家計の中の生命保険料が変わらないからです。
では、他にとれる手段を見ていきましょう。

終身保険への反論と他の手段

全てを解決してくれそうな終身保険ですが、穴もたくさんあります。
それは、他に手段があるということです。
その時に合言葉にして頂きたいのは、【保険はあくまで保障である。】です。
ひとつひとつ確認していきましょう。

簡単に解約できない。

今回ご紹介した低解約終身保険、その他通常の終身保険。
解約すると保障はなくなります。さらに払込期間中に解約すると支払った以下の解約返戻金しか戻りません。
これでは払込期間が終了するまで、この支払いに縛られることになります。
これを、流動性・換金性がないものと言います。
流動性の高い商品は、皆さまご存知普通預金です。普通預金は元本割れしません。

積立性が弱い。

先程の試算で、毎月1万4千円を25年間支払って返戻率105%はすごいものだと思いますか?
残念ながら、それを遥かに超える商品はごまんとあります。
例えば、投資信託。

月1,4万円を25年間、金利3%(控えめ)で運用するといくらになるか?
→420万円の支払いに対し、624万円。投資信託は税率20,315%なので、624-420=144万円×20,315%=29万円(税金)
624-29=595、595÷420=141%

※20年間投資できる積立NISAなど活用することで税額は抑えられる。
控えめな投資信託のシュミレーションであっさり終身保険の返戻率を上回りました。

以上のことから、終身保険でお金を貯めるのには無理があるといえます。
積立利率が日本円より高い、米ドルの終身保険で試算しても投資信託には及びません。

定期保険を活用する。

終身保険は割高で、運用もままならず、解約しにくいとまとめてきました。
しかし、保障は欲しい。その時に活躍するのは、定期保険です。
公的年金の知識も必要となります。

生命保険控除は他の手段で賄える。

所得税4万円の控除をあっさり獲得する方法、それはiDeCoです。
月に3,300円やってみてください。同等の効果になります。
また、ここには所得の種類を含め年末調整・確定申告の知識も必要となります。

相続税の生命保険控除には一時払い終身保険が有効。

終身保険を40歳から払うか、別の方法で資産を増やして年老いてから一時払い終身保険に加入するかについてです。
なぜ年老いてから加入するのが有効か?
これは残念な話、大抵の方が相続税の基礎控除以内におさまるからです。

相続税の基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数

一番大きな相続財産は、不動産と言われています。
そして、不動産の価格を決めるために使用する路線価
これは売買の価格よりも低く設定されていることが多いです。
次に現預金と言われています。(証券口座内も含む。)
仮に現預金がない、もしくは現預金以上の負債があるなどの場合は相続財産にのりません。
基礎控除以下の財産の場合、そもそも相続税は0円です。

要するに歳を老いた年齢にならないと財産がわからないからです。
それまでに積立NISAやiDeCo、その他運用商品で多額の現預金がある場合は一時払い終身保険に加入してください。

以上反論点となります。

まとめ

このように終身保険は万能であるかのようで、大きな欠点があります。
他に手段がある場合、終身保険に加入するかそれ以外に加入するかを決定するのは皆さまです。
皆さまの意思を尊重しますが、以下のような方は要注意です。

  • 掛け捨ての保険が耐えられない方。
  • 結局お金は増えるからいいやという考えの方。
  • 終身保険以外に貯蓄・投資をしていない方。

このような方は、いつか気づいた時に損失を抱えることになります。
終身保険に加入していい方は、単純に見直しなく一生涯保障が続くというところに視点を向けられる方だけです。

私が伝えたかったことは、保障と貯蓄は別に考えようということです。
私自身、初めて終身保険の勉強をしたときはとてもいいものだと思いました。
※私が保険業を初めた頃は日本円の積立利率が2%近くあったので。

しかし、様々な制度を学び、何百通りのシュミレーションを重ねました。
その結果、その不利益を受け入れられる方だけに販売をしています。



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