本当に必要な死亡保障額はいくら?

こんにちは。WILLE BLOGのSHOGOです。
皆様は死亡保障額をいくらにしていますか?

私に相談にくる方はこの質問をして正確に回答できません。
いくらが妥当でしょうか?
多くの方がとても難しい問題だと感じることでしょう。

実は中身は非常に単純な計算です。
その計算の公式は以下になります。

必要死亡保障額=遺族の必要生活費ー既加入公的年金の遺族年金額

単純ですね。
人によって必要死亡保障額は変動しそうです。
そのポイントを押さえながら解説いたします。

では具体的な金額を計算していきましょう。

遺族の必要生活費

遺族の必要生活費は、家族が少なくなるため現在の生活費少なくなると言われています。
生命保険販売資格の初級と言える募集人試験では遺族の生活費は7割になるという問題があります。
しかし全員が7割でしょうか?
答えは違います。断言致します。
具体的に見ていきましょう。

主となる生活費用現在の内容遺族の生活費
住宅ローン団体信用生命の有無有りの場合  0
無しの場合 変動なし
住居賃貸有り変動なし
自動車関連費用有り変動なし
生命保険料有り約半分
通信費有り約半分
光熱費有り約7割
食費有り約7割
教育費有り変動なし
接待交際費有り約半分
主な生活費

住宅ローン

団体信用生命保険とは、住宅ローンを組む方が万が一あった際住宅ローン残高全額が金融機関に支払われる生命保険です。
簡単に言ってしまえば、遺族は一円たりとも住宅ローンを返済しなくてよくなります。
また金融機関は債権を同時に回収できるためお互いに利がある商品といえます。
ただし、生命保険であるため診査が必要となり加入できないこともあります

団体信用生命保険に加入している=相対的に必要保障額が少なくなります。
ただし、修繕積立金やマンションなどの管理費は万が一のあった以後も支払いが必要です。

団体信用生命保険の最大のライバルは、民間の収入保障定期保険です。

団体信用生命保険に加入していない場合は、

  • 支払いを続け住む。
  • 他の住居(例えばご実家)に住み譲渡もしくは賃貸する。

といった選択肢が生まれます。

ここで月の支払いに変換しましょう。
 住宅ローン+管理費・修繕積立費+火災保険料+固定資産税
火災保険料は(保険料÷契約期間)、固定資産税は÷12をしましょう。
団体信用生命保険に加入している場合は住宅ローン分がなくなるのでお安くなるはずです。

住居賃貸

住宅ローンに対して、賃貸にお住まいの方は以下の選択をする必要があります。

  • その賃貸物件に住み続ける。
  • 別の場所に賃貸を借りる。
  • ご実家などに住み、賃貸契約を終了させる。

私はお客様と面談するする際、亡くなった場合どこに住むか?という質問をします。
なぜなら、生活費において住居費は最も割合が大きいからです。
そしてその回答で必要保障額を定める提案をするようにしています。

その場所に住み続けたい多い回答が、子供を転校させたくないというものです。

こちらも月の支払いに変換しましょう。
 家賃(管理費等含む)+駐車場+更新料
更新料は、1ヶ月分の家賃÷24が相場となります。

自動車関連費用

自動車関連費用は減額することが難しいと言われております。
その車がある限り、万が一の際に相続しても同等の費用がかかります。

  • 自動車税
  • 自動車保険料
  • 車検代
  • メンテナンス費用
  • 駐車場代
  • ガソリン代

ガソリン代を除き、所有しているだけでかかる費用です。
自動車がどうしても必要な方は、軽自動車に乗り換えるなど対策をします。
ただし、所有権が金融機関によって留保されている場合は一括返済しないと譲渡できません。
なお自動車保険は万が一があった場合、配偶者または子供に等級を渡すことができます。

自動車にかかる費用も月払いに変換しましょう。
車検代は、車検代÷24で計算しましょう。
※1ナンバーや4ナンバーの一部は1年車検ありのため12で割る。
自動車税は12で割りましょう。

乗用車から軽自動車にすると概算で月4,000円ほどお安くなります。
軽自動車の人気の理由です。

生命保険料

生命保険料は、一般的には半分になります。
ただし固定費の中では一番見直しが容易です。

子がいるかいないかで保障内容は変わりますが、概ね減額することが可能です。

通信費

主に携帯代や自宅のネット回線です。
こちらは単純に一人分の携帯料金が削減されます。

光熱費や食費

こちらは生命保険機構が提案する7割にしたいと思います。

教育費

教育費については、変動がありません。
ただし以下で述べる助成金などの制度があります。

以上が概ねの遺族の生活費となります。
概算で半分や7割などを示しましたが、生前に現在の必要生活費を下げておけば自ずと必要死亡保障額も減額できると思いませんか?
例えば現在の生活費が20万円の人と40万円の人では相対的に必要保障額は変わります。
皆さまの担当保険人にこのような家計を聞かれたことはありますか?
ほとんどの場合このような話はしてくれません。なぜなら多くの保険募集人は知らないからです。
しっかり見極めましょう。

既加入公的年の遺族年金

公的年金とは、国民年金や厚生年金のことです。
実はこれらの公的年金には遺族年金という保障が用意されています。

多くの個人事業主や会社員は年金を支払うことに肯定的ではありません。
特に会社員の方からは高いとよく聞きます。
しかし、私は最強の保障と考えております。

では早速見ていきましょう。

遺族基礎年金

国民年金加入者は1号被保険者となります。
社会保険に加入していない個人事業主が該当します。

子供がいない子供が1人子供が2人子供が3人
0円月額  約83,000円月額  約102,000円月額  約108,000円
国民年金の遺族基礎年金額

子供の有無、または子供の数で遺族年金額は変動します。
また子供が18歳になるまでという条件があります。
計算式は以下のようになります。

遺族年金支給額=777,800円+子の加算分(1人目223,800円・2人目223,800円・3人目以降74,600円)/年間

これらを具体例で見ていきましょう。

1号被保険者の父親が亡くなった。子供は0才児と2歳児である。現在2022年とする。


2022年〜2038年2038年〜2040年2040年以降
102,000円/月額83,000円/月額0円
遺族基礎年金具定例

このような支給となります。
見方を少し変えてみましょう。
上記例の総支給額を計算します。

102,000円×12(ヶ月)×18(2038年ー2022年)+83,000円×12(ヶ月)×2(2040年ー2038年)≒2,400万円


上記の例では2,400万円の死亡保障に加入しているのと同等といえます。
2030年に亡くなった場合は、約1,200万円の死亡保障に加入しているのと同等になります。
このような民間の定期保険はあります。それが収入保障定期保険です。
子供が誕生すると、自動で収入保障定期保険に加入するのと同等の遺族基礎年金の保障があることになります。


遺族基礎年金+遺族厚生年金

会社員、公務員は厚生年金の第2号被保険者となります。
※公務員の旧共済年金も厚生年金へ変更。
厚生年金加入者の遺族年金は、遺族基礎年金+遺族厚生年金となります。
遺族基礎年金は上記、国民年金者のものと同様です。

平均標準報酬月額子供がいない子供が1人子供が2人子供が3人
20万円約27,000円/月額約111,000円/月額約130,000円/月額約135,000/月額
30万円約40,000円/月額約125,000円/月額約143,000円/月額約150,000円/月額
40万円約54,000円/月額約138,000円/月額約157,000円/月額約163,000円/月額
厚生遺族年金額

遺族基礎年金だけとの大きな違いは、子供がいない妻も対象となることです。
また、平均標準報酬月額で金額は変動します。
平均標準報酬月額は、4月〜6月までの平均給与となります。ねんきん定期便に記載があるので、確認しましょう。

また、夫の死亡時に妻の年齢が40歳〜65歳であると 『中高齢寡婦加算』が受け取れます。
その他子供が18歳を超えると、受け取ることができます。
金額は年単位で変動しますが、約58万円/年額となります。

それでは遺族年金の推移を見ていきましょう
試算条件
夫45歳で死亡。妻41歳で10歳と8歳の子供がいる。夫の平均標準報酬月額は30万円とする。現在2022年とする。

2022年〜2030年2030年〜2032年2032年〜2046年2046年〜
143,000円125,000円48,000円
妻と子供2人妻と子供1人中高齢寡婦加算老齢年金へ
遺族厚生年金の具体例

こちらも死亡保障として考えると、夫が45歳時点で約2,400万円の死亡保障に加入しているのと同等になります。

まとめ

生命保険に加入する場合は、必ずこの計算をしましょう。
安易な気持ちで、1億円の死亡保障に加入することは実は効果的ではありません。

残された家族が生活できる金額は人それぞれであり、また遺族厚生年金も金額が異なります。
それ故、結婚したら1億円必要などの営業は違うなと感じることができます。

私は生命保険を見直したいという方には家計からヒアリングします。
理由は、公的遺族年金額が残された家族の生活費より多い場合生命保険は必要なくなるからです。

皆様も大きな死亡保障に加入する前に踏みとどまって頂きたいものです。

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